おくぬ〜の『来た球を打つ!』

スイスと日本で活動する舞台俳優奥野晃士(あきひと)のブログ。

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『存在感のある身体』について②〜修行時代〜

こんにちはー。

8月4日に帰国し、意気込んでいた8月7日の西宮市文化振興財団が主催してっくださってた
『大人のための読み聞かせ』が台風接近のために中止になってしまった。
台風被害を被った方がには心からお見舞いを申し上げます。

2年前にスイスの大学で開催させていただいた
スズキトレーニングを基本にしたアプローチで、
舞台における存在感についての考える
『存在感のある身体』ワークショップを
関西でもこじんまりと開催させていただく。

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SPAC-静岡県舞台芸術センターに所属する前は関西を拠点に活動していただけに
静岡で学んだことを関西に持ち帰ることができたらと以前から願っていた。
特に『大阪春の演劇まつり』という演劇祭に3年ほど参加させていただいてたので、
8月12日は大阪春の演劇まつりの仲間だった高口さんが企画してくれた。

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会場は1962年創立の歴史ある劇団未来のアトリエ(〒536-0007 大阪府大阪市城東区成育1丁目4)。

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また、8月15日は私の実家のある淡路島で活動する発達障害の理解のための活動をおこなっている
社団法人ここからだの灰谷さんが伊奘諾神宮の近くで企画してくれた。

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スズキトレーニングはとくにアメリカを中心に世界中で学ばれている演劇訓練法として有名で、
鈴木忠志氏に会ったこともない、孫弟子やひ孫弟子が、スズキトレーニングの先生をしてると聞いて
びっくりした覚えがある。

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海外を手本にして発展してきた新劇とは違い、
アンチ新劇的立場で1960年以降に若い演劇人によって展開されてきた
アンダーグラウンド演劇(アングラ)を牽引してきた鈴木忠志氏は、
海外の名作を独自の視点で演出し、
日本人の身体性や様式を追求した演劇で世界に衝撃を与えた。

また「動物性エネルギー」を重視する彼の演劇理論は、
世界の舞台芸術に新しい価値観をもたらすことになる。

それは、鈴木忠志という偉大な芸術家を通して、
日本人が培ってきた身体性が西洋の演劇に大きな影響を与え、
20世紀の演劇にはなくてはならない理論となった。

事実、ケンブリッジ大学が刊行している20世紀を主導した演出家・劇作家21人のシリーズに、
メイエルホリド(露)、ブレヒト(独)、ストレーラー(伊)、ピーター・ブルック(英)、
ハロルド・プリンス(米)、ムヌーシュキン(仏)、ロバート・ウィルソン(米)などとともに、
アジア人としてただ1人選ばれ、すでに『The Theatre of Suzuki Tadashi』として出版されている。

鈴木本

鈴木忠志氏は1995年からSPAC-静岡県舞台芸術センターの芸術総監督をつとめ
いまは富山県利賀村を拠点に世界的な活動を展開するSCOTを率いる演出家であるが、
2000年に私がこのSPACに3年契約で入団する時は、
3年間の兵役にいくつもりで門をくぐったのも、
出版物やオーディションの時の様子、風評から過酷な現場が予想されていたからだが、
実際は想像をはるかに超えた過酷な日々だった。

イワーノフの終演直後の写真がネットで売られてたので買ってみたが、
鈴木氏を挟んで立っている二人が精魂共に尽き果てた顔をしてるので笑ってしまった。

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稽古場と自宅を往復するだけの毎日で、どんなに過酷で追い詰められていても、
自分が一つの道で高い目標に向かって向上しようとする毎日は、恵まれていると思っていたし、
カンフー映画ブームで育った世代だったからか、
厳しい修行の日々はむしろ、俳優として望むところだった部分もあるかもしれない。

今は鈴木さんにお会いするのは年に一回か二回ほどだが、
氏の前に出ると今も直立不動になってしまう。
そして作品を拝見すると、元気をもらう。

ありのままとか、ナチュラルとかがもとめられている時代、
戦っている人間の姿は、実は美しいのだ。



奥野晃士

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龍馬暗殺150年めの歴史演談in門真

男はよく歴史好きと言われるが、
私も司馬遼太郎の小説に影響されたこともあり、特に幕末が好きで、
坂本龍馬の暗殺から150年の今年、
実行犯とされる今井信郎の半生を各地で歴史演談で語れたらと思っている。

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まず最初に、門真フィルムコミッションというNPOを運営している
奈須崇さんが8月20日に歴史演談『坂本龍馬を斬った男〜今井信郎の半生〜』
プロデュースしてくださることになった。

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元来龍馬ファンだった私からすると今井信郎なんかは
憎っくき敵も同然だったが、
後半生を静岡県島田市初倉で過ごしたことを知ったのは
静岡に来てからだ。

静岡県って戦国時代は武田や北条に取り囲まれ、
織田も狙ってた東海道の要衝だし、気候も温暖で自然も豊か、
今川時代には家康が成長した土地ということで、晩年の家康が過ごした土地としても有名。

知り合いにも歴史通が多い。

明治維新の後はしばらく6分の1に縮小された徳川家が治めた土地であり、
その末裔の方々が今も多く暮らしている。

 浜松のゆるキャラである「家康くん」に対抗してかどうかわからないが、
静岡市には「今川さん」なるゆるキャラが存在し、

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当然、今川義元をモチーフにしたキャラだが、
浜松の「やらまいか(やってやろう)精神」に対して、
静岡の気風は温厚でおとなしく「やるまいか精神」なんていい方もされるが、
これは未だに京文化に通じていた「今川の気風」が残っているなどともいわれる。

(そういえば、60代の方から聞いた証言で、
彼らのおじいさんの世代は「おおきに」などの京言葉を使っていたなどといわれていたので、おもしろい。)


明治維新のあとの静岡では、徳川家による教育政策が実施され、
静岡学問所沼津兵学校などの
教育機関を作り、優秀な人材を輩出した。

現在、国内唯一のヨーロッパ型舞台芸術のセンターとして2013年に『先進政策大賞』を受賞した、
私の所属する「SPAC-静岡県舞台芸術センター」が静岡に誕生したこととも、
無縁ではないのではないかという気さえする。

そんな静岡において私がライフワーク的に取り組んでいるテーマが
「牧之原開墾」を成し遂げた徳川幕臣たちとその家族の物語である。

静岡といえばお茶が有名だが、
徳川慶喜を護衛した武道に通じた幕臣軍団『新番組(精鋭隊改メ)』
200家族が荒地だった牧之原に移住して刀を鍬にもちかえ、粉骨砕身した物語がある。

隊長は剣の達人中条景明
副隊長は弓の名手の大草高重
他にも初代静岡県知事の関口隆吉や、
県内2カ所に生き神として祀られた警視総監になった松岡萬
幕末きっての書道の達人伊佐新次郎など、
錚々たる人物集団に、勝海舟、山岡鉄舟、大久保一翁などの知名人深く関わっており、
大草高重の子孫は未だに高重が屋敷を構えた同じ場所で茶農家をいとなんでいらっしゃる。

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そんな牧之原にあとから入植したのが、今井信郎であるが、

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彼は幕末の警察組織である見廻組の元隊士で、
坂本龍馬暗殺の実行犯とされ、箱館まで戊辰戦争を戦い抜き、
龍馬を暗殺した身でありながらなぜか釈放され、
戦争犯罪人なのに静岡で役人として採用され、
八丈島の開発などに従事、
その後は牧之原に入植して、なんと初倉村の第四代村長までつとめている。

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晩年はキリスト教に入信したとも言われるが、70代で天寿を全うするのであった。
今井の名前が歴史でもっとも語られるのがやはり坂本龍馬暗殺だろう。
 伏見奉行所が寺田屋で龍馬捕縛に失敗した時、
龍馬は二人の取り方を殺害しているので、当時の龍馬は指名手配犯であった。
薩長同盟の実現を推し進めた龍馬は様々なところから恨みを買っており、
なかでも会津は目の敵にしていたようだ。
暗殺の黒幕は誰かは謎とされているが、
明らかに上からの命令によって実行されたこの暗殺は明らかに公務執行であり、
その暗殺の直前に見廻組の中で斬り込む順番をくじ引きで決めたそうだが、
最初三の太刀だった今井が、強引に引き直しを頼み込んで一の太刀になったというエピソードがある。

坂本龍馬ファンの一人でもある私からすると、なんで生け捕りにしてくれなかったんだろうと思ったりするが、
今井は釈放後30代半ばで牧之原に入植し、
農業で身を立てるなぞ、並大抵の努力ではないと思うが、
愚直に邁進して、周囲から頼られる存在になりえた背景は、
いかなる環境に身をおいてもひたすらに自分の本分を全うする人間性が垣間見える。

坂本龍馬の暗殺から150年の今年、
そんな今井信郎の半生を歴史演談で語れたらと思っている。

まずは8月20日、門真フィルムコミッション主催で門真の願得寺で開催する。
歴史演談関西初開催、張り切っていどみたいと思います。

2017年8月20日(日)14時半から!
坂本龍馬 没後150周年 歴史演談!
「坂本龍馬を斬った男 今井信郎の半生」
出演:奥野晃士(動読)永吉真弓(パーカッション)
会場:願得寺(門真市御堂町8−23)
参加費:2000円


追伸

門真フィルムコミッションさんのご厚意により、これまで関西でのリーディング・カフェ形式のイベントや、奥野ワークショップ参加者の方々は半額(1000円)でご優待させていただきます。

8月の開催は以下の通りです。


『存在感のある身体』
8月12日10時から
大阪市の劇団未来のワークスタジオにおいて
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8月6日は未来ワークスタジオでのプレ企画として
『声に出して読むモリエール』開催させていただきます。


8月15日14時から
淡路島のふるさとセンターにおいて
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※10時からせきれいの里で、
リーディング・カフェ・タイムとして
泉鏡花の名作『天守物語』を読む。

『お茶を飲みながら戯曲を楽しむ会』
8月10日18時半から
高槻市のアート・デ・アートビュー(〒569-0802 高槻市, 大阪府北園町13-30)という素敵なギャラリーにおいて………

※フェイスブックのページはこちら


それぞれ開催させていただきます。

※詳しくはおくぬーの『来た球を打つ!』
『存在感のある身体について』こちら


明日のフライトで帰国します。
ではまた!




奥野晃士









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