劇春到来!本日より開幕!~『寿歌』をご覧になる前に! ー
こんにちは!
いよいよ本日、ふじのくに⇄せかい演劇祭が開幕します!
今年は8カ国から世界最先端のカンパニーが静岡に集結します!
私は4月28日/30日野外劇場有度で上演される『寿歌』に出演します!
(撮影/平尾正志)
開幕式は17時30分から、舞台芸術公園 野外劇場「有度」前広場。
SPACと愛知芸文センターさんのスタッフさんが、
連日深夜まで作業してくださってます。
今回出演者が三人なので、集客面で心配でしたが、
ファンの多いたきいさんと、地元静岡は初倉出身の春日井くんの知名度と
制作さんのがんばりもあって、
おかげさまで満員御礼となりました!
当日券も若干出るそうですのでお時間ありましたらぜひおこしくださいませ!
今回は愛知県と静岡県の二県合同企画なので、
一箇所だけ中日ドラゴンズファンに捧げる瞬間があるのですが、
わかった人はぜひ教えてくださいませ。
愛知県との合同企画ということで、
名古屋演劇界のレジェンド北村想さんの1979年初演の『寿歌』が選ばれ、
核戦争後の関西が舞台という設定上、
旅芸人のゲサク(=戯作者)とキョウコ(=虚構)の役に
関西人ネイティブのたきいさんと奥野が選ばれ、
奇跡をおこす謎の男ヤスオ(耶蘇)に
牧之原開墾士族の聖地初倉出身の春日井一平くんが選ばれ、
SPAC独自では決して立ち上がらなかったであろう今回の作品に
何か運命的な形で出会い、本日の初日を迎えたことに
大感謝です。
初演以来何度となく上演されている『寿歌』ですが、
作品は昭和感満載です。
より寿歌を楽しむためにあらためていくつかキーワードを紹介しておきます。
⚪︎イオナ、私は美しい。ーーーイオナ化粧品のキャッチフレーズ。
⚪︎地下鉄漫才ーーー春日三球・照代(かすがさんきゅう・てるよ)は、日本の夫婦漫才コンビ。 「地下鉄の電車 はどこから入れたの? それを考えてると一晩中寝られないの。」のフレーズで有名な 地下鉄漫才で1970年代後半に一世を風靡し、立川談志をして「漫才でトリがとれる」と 言わしめた。
⚪︎ミスタースポックーーー『スタートレック』シリーズの登場 人物である。演じたのは、映画シリーズ第3作、第4作で監督も務めたレナード・ニモイ。 映画シリーズ第11作以降では、この作品以降の世界(ケルヴィン・タイムライン)の スポックをザカリー・クイントが演じており、ニモイも第10作目以前の世界のスポック として出演している。
⚪︎ダルタニアンーーー軍人としての活躍は歴史に名前を残すほどではないが、アレクサンドル・デュマ・ペールが『三銃士』を始めとする『ダルタニャン物語』で描いた創作上の人物としての知名度が高い。近年はダルタニァンと表記されることも多い。小説でダルタニャンが登場する場合、ファーストネームは「シャルル」になっていることが多い。これは史実のダルタニャンにちなんだものと考えられる。
⚪︎二天一流ーーー流祖・新免武蔵藤原玄信(宮本武蔵) が、晩年に熊本で 完成させた兵法である。その理念は著書『五輪書』に著されている。
⚪︎宍戸梅軒ーーー剣豪・宮本武蔵の伝記『二天記』に登場する伊賀国の鎖鎌の使い手「宍戸某」なる人物を元に、吉川英治が小説『宮本武蔵』において脚色・創作した登場人物である。
⚪︎佐々木小次郎ーーー豊前国田川郡副田庄(現福岡県田川郡添田町)の有力豪族佐々木氏のもとに生まれたという説がある。1612年(慶長17年)、武蔵と九州小倉の「舟島」で決闘し関係者がすべて死去した後に書かれた『二天記』(1776年)では、この決闘で刃長3尺余(約1メートル)の野太刀「備前長船長光(びぜんおさふねながみつ)」、通称「物干し竿」を使用[1]、武蔵は櫂を削った2尺5寸と1尺8寸の木刀2本を使い、これを破ったとある。これに敗れて死んだ。この決闘時の年齢は、宮本武蔵が20代で佐々木小次郎が60歳近くだったといわれている。
⚪︎白雲斎ーーー「猿飛佐助」などにみられる甲賀流忍術の名人戸沢白雲斎。もと摂津(せっつ)花隈(はなくま)城(兵庫県)城主。諸国漫遊中,信濃(しなの)(長野県)鳥居峠でであった猿飛佐助にその秘伝をつたえたという。もともとは2代玉田玉秀斎がその創作講談中でつくりだした。姓は戸田ともいう。
⚪︎箕島の奇跡(箕島対星稜延長18回)ーーー1979年8月16日に阪神甲子園球場で行われた第61回全国高等学校野球選手権大会の3回戦における和歌山代表・和歌山県立箕島高等学校(以下、箕島高校、箕島)対石川代表・星稜高等学校(以下、星稜高校、星稜)の試合を指す。延長18回、試合時間は3時間50分の熱戦で、劇的な試合展開故のテレビ中継における視聴率の高さや関連する書籍も多く、高校野球史上最高の試合とされる。
『少女仮面』ーーー1970年に岸田戯曲賞を受賞した唐十郎の代表作。
『少女仮面』一幕三場、第一場
花道に二人の少女がうずくまっている。明るくなると一人は少女だが、
もう一人は少女フレンドをかかえた老婆。二人はゆっくりと、そして力
強く、黒い靴下をあげている。モモには赤い大きなガーター。
そして、主役の少女・貝のセリフ。
貝 ねえ、おばあさん、春日野さんが「嵐ヶ丘」に行ったとき自分がヒ
ースクリッフの役をやっているのでヨークシャの荒野を横切るときに
なって、あの二人の愛の亡霊と三角関係になるのじゃないかとひやひ
やしたと言っているのだけどあれはわくわくしたのじゃないかしら?
老婆 それは難解ね。
貝 もし、わくわくしたのなら、おばあさん、それは不謹慎だと思われ
る?
老婆 貝、本当のことを言うと、永遠の処女の考えることは油断ができ
ないよ。
貝 永遠の処女って?
老婆 そりゃ、ヅカ・ガールさ。おまえの春日野さんの話だって、あた
くしには嵐ヶ丘が嵐ヶ丘を訪問したように思えるのさ。
貝 何故、春日野さんが嵐ヶ丘なの?
老婆 すてたパンツに聞いてごらん。
あっ、と、もう引き込まれる。始まった芝居のわくわくが伝わってくる。ヅカ・ガールをめざす少女・貝は、往年のスター春日野に弟子入りする。春日野は『嵐ヶ丘』の彷徨うヒースクリッフとなって、少女にキャサリンを見る。愛の乞食となっているヒースクリッフとキャサリン。セリフは続けて、冒頭部分で鋭角にテーマに迫る。
貝 ねえ、おばあさん、冷やかすのはやめて、一言だけ言って、春日野
さん何を知っていたの? ヒースクリッフとキャサリンが、嵐ヶ丘を
ほっつき歩きながら乞いていたものは何なの?
老婆 亡霊が、いつも欲しがるもの、それはー
貝 それはー?
老婆 肉体。
そして、歌が入る。
〽︎時はゆくゆく/乙女は婆アに、/それでも時がゆくならば、/婆アが乙女になるような、Uターンの秘術を誰が知ろう。
貝・老婆 (二人、口をそろえて)何よりも、肉体を!
『時はゆくゆく』
では劇場でお待ちしてます!
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愛知県芸術劇場・SPAC共同企画
『寿歌(ほぎうた)』
演出:宮城聰、作:北村想
美術:カミイケタクヤ、照明:木藤歩
出演:SPAC/奥野晃士、春日井一平、たきいみき
【静岡公演】
日時:2018年4月28日(土)、30日(月・祝)各日18:15開演
会場:舞台芸術公園 野外劇場「有度」
*『寿歌』公式サイトはこちら
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奥野晃士